| 5.ゴア(2)
ヒッピーもとめて三千里
さて、このままパナジでぶらついていてもヒッピーに会えないと判断した私は、まずカラングート・ビーチに行ってみた。地球歩に「1960年代に欧米からやってきたピッピーたちが集まったのがここ」とあるからだが、2011年現在はインド人だらけだった。おばちゃんがサリーをきたままでおよいでいた。
ヒッピーは絶滅したのだろうか?こうなると意地でも見たくなり、特にやばいと評判のアンジュナビーチにゆく事にした。さすがにアンジュナまで行けば生ヒッピーがいるに違いない。
パナジ→マプサ→アンジュナと市バスを乗り継ぐ。ゴアは市バスが使いやすい(ただし痴漢に注意)。バスからはスイカの道端販売をよく見た。途中、日本人カップル(高円寺にいそうなファッション)に会うが特に会話もせず。不思議だが、旅行中に話しかけられるのを嫌がる日本人旅行者がいるらしいのだ。ココガヘンダヨニホンジンー。私などは心細いから日本人と見ると話しかけたくなってしかたなかったのだが、アジャンターで出会ったカップルがまさにそんな人達であったので、遠慮することにした。が、別れ際に「またね」と言われて、別に話しかけてもいい人達だったのかと拍子抜けした。
バスを降りてネカフェでリサーチした1泊300ルピーの宿へ行くが、アメドラに出てきそうなリゾートホテルであった。一泊1000ルピー。2000円だと!!高い!!もっと安い宿を紹介してくれと頼み、従業員とスクーターを2ケツでアンジュナビーチすぐそばのゲストハウス・シープリンセスに。一泊500と言うのでアホ!高いわ!とごねたら400ルピーにディスカウント。それでも高い。が、その頃はもうどうでもよい気分になってしまった。
インド時間に目覚める
宿のオーナーはインド人にしてはめづらしく潔癖症のおじさんで、ずっとカウンターの掃除をしていた。部屋の掃除終了を待つ間、漫然とその様子をみたり、目前に広がる田んぼ風景を眺めた。なんだか、この瞬間にインドの時間の流れが自分に入り込んできた。
「こんな辺鄙な所に連れてこられて、もう海辺しか行けないじゃんどうすんの?」とか、「でもまあいいか焦る気も起こらない」、「インドのゴアで自分は何をしているのだろう…」とか、ひたすらそんな感じで、インドに来て本気ではじめてリラックスした。この感じ、これがゴアなのだ…インドなのだ…と私は確かにそう知った。あと、バカに大きいバイクにのったオーストリア人男と、インド英語のアクセントは分かりにくいよねーと話したりもした。

アンジュナビーチで海にも入らずの私
水着を忘れたが買うのも面倒なので、ビーチに来ておいてなんだが、ただひたすら本を読んだり、歩いたり、チャイを飲んだ。また、移動手段もなく、アルコールも飲まず、夜歩きもせずパーティもマーケットも行かないとなると、自然と早寝早起きの老人旅行になる。当然お目当てのヒッピーなど目にすることもできない。多分私が寝る頃に彼らはハッスルして私が目覚める頃に寝るんだろう。
目に入るのは金払いがよくてトドのごとく海辺に転がってる白人ばかりである。ヒッピーはどこで何をしているのかなーと思いつつも、まあ快適だからどうでもいいかと、『小説ブッダ』(ティク・ナット・ハン著)を読んだ。これはインド旅行の餞別として中野民夫さんがくれた意味深い品なのである。わざわざ見に来たはずのヒッピーみずにブッダ読む。このいい加減さもゴアならでは。

また日本人と会う
夕方、櫓の集合体みたいな海の家でチョコアイスとチャイをたしなむ。ここはwifi freeだったり、いかにもなブッダ像がディスプレイされてたりと、インドかぶれした小金持ち白人がターゲットのようで値段も高かったが、なんせwifi freeだったのでiPhone片手に2度ばかり使った。
ここで日本人ゆいなさんとスイス人ミハエルのカップルとしばし談笑す。2人でいると必ずゆいなさんに蚊がたかるため、蚊がいるいないで意見が分かれてた2人も、ゆいなさんが蚊やを使い始めるや、全部彼に蚊が行って、結果的に意見が一致したとか、インド人がビーチで行商している変なおもちゃは面白いほど一日で壊れるとか、そんな話。日本人と会話すると言いたいことも思うように表現できるから、ついつい楽しくなってしまう。
夜、よせばいいのにペンライト片手に散歩がてら飯を食べにゆく。しかし、月夜とは言え街灯もなく、猛スピードで行き交うバイク(多分ヒッピーの活動時間)に恐ろしくなり、手近のバーガーショップに落ち着いた。店の旦那がTVでアメドラを見ている。その横で1人ベジバーガー65ルピー(130円)を食べる私。時々、おねだり犬やおねだり猫が来たが無視した。
ゴアでは旅行者がのんびりしていると必ず人や動物がおねだりに来て、しばらくねばる。駄目と分かるとあっさり移動してまた別の旅行者にねだってる。このあきらめるあたりの空気感が同じなので、犬が人間ぽい感じがして妙である。帰り道、田んぼで牛が寝たり動いたりしているのが月の光にぼんやりてらされていた。
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