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7.トリヴァンドラム
〜外人に冷たい町〜
 駅前。手前の人が履いているのがルンギー
深夜寝る処もなくさまよう女ひとり
コーチンのエルナークラム駅を16:30(1時間遅れ)に出発して22:30にトリヴァンドラム駅に着いた(合計4時間遅れ)。今回の夜行列車も3Aで18時間、相変わらずインドの電車は遅れまくりである。当然、宿も決めていないので焦る。外人女子にとって夜の7時からはインディアン・デンジャラス・タイムだというのに、すでに時計の針は10時半を指している。夜道を警戒しつつ地球歩を参考にホテルをあたるが、どこも満室だと断られた。
とあるホテルではフロントの男がニヤニヤして「うちはシングルルームはありません、マダム」、別のホテルでは満室なら他を紹介してくれと頼んでも「知らない」だと。こんな深夜に外国人が困っているというのに、どいつもこいつも信じられない程冷たい。5,6軒立て続けに断られて、あまりに思い通りに行かなくて泣きそうになり、結局、駅に引き返してリタイアリングルームに泊まることにした。
リタイアリングルーム
リタイアリングルームとは、電車利用客のための宿泊施設のこと。大きい駅には大抵あって、電車の切符さえあれば利用できる。しかも安くて清潔だという話なので、前々から利用してみたいとは思っていたが、まさかここでやむなく使うことになるとは。
まず、駅長室で切符とパスポートを見せ、名前やアドレスなどを所定用紙に記入、窓口のおばさんにそれを見せて、レディスルームAを指定される。窓もない2畳ばかりのめちゃくちゃ狭い個室だったが、けっこう清潔で蚊も2匹しかおらずエアコンまで効いている。入り口でおばちゃんが男の侵入を阻止してくれるし、個室には鍵もかかる。奥にはトイレとシャワールームもあり、これで一泊250ルピー(500円)。十分だ。レディスルーム万歳。
とはいえ、一晩中のエアコンはきつかった。スイッチも温度調節ボタンもなくひたすら冷やし続けるだけなのだ。掛け布団もないため、ありったけの服を体に乗せてなんとか乗り切ったものの、毎日これでは風邪を引く。
コーヒーハウスでまた冷遇か!
翌朝、9時にリタイアリングルームをチェックアウトして、インディアン・コーヒー・ハウスという店で朝食を取った。ここは有名なチェーン店で(地球歩にも掲載されてる)、渦巻き階段状の客席と店員のコスチュームが売りらしい。たしかに今まで見たこともない変な客席とごきげんな店員コスチューム。
しかし、ここもひどいのなんの。
注文取りにこない!オムレツを頼んだのに!いっこうに!! 来る気配もない!かなり待ってるのにまだバター付きパンとコーヒーしか飲んでいない!周りのインド人にはちゃんと飯が運ばれるし頼まれずとも注文取りに行くのに外人は無視かよ!!!!!!!! まさか英語がこわくて来ないとか?ああ面倒くさい。何もかもいちいち手間と時間がかかるし、外人に冷たくてストレスフルだ。 しかし、気軽に朝食がとれそうな店も他に見つからず、翌朝もここに入った。

2日目に注文した生ジュース、コーヒー、ムンバイトースト、オムレツ
トリヴァンドラムの観光と印象
トリヴァンドラムは観光地じゃないので、見所もそんなにない。南口のパレスとドラヴィダ系のパドマナーバスワーミ寺院(異教徒は入れない)、北口の文化公園にあるネイピアミュージアムと動物園、シュリー・チトラ美術館などくらいか。小さい町なのだ。動物園に行ったら、休日を楽しむインド人だらけだった。とにかく敷地が広大で動物園でありながらも天然亜熱帯植物園でもあるような緑の豊かさ。多摩動物公園をめちゃめちゃ広くしたような雰囲気だ。動物は広々とした空間で昼寝などしているし、人々ものんびりしていた。飼育係が客のために檻を叩いて無理に虎を怒らせていたのが印象深い。

なんというか、概してトリヴァンドラムの人はあまり外人に反応しなかった。そして、比較的一般人は優しくて観光業の人が氷のごとくめちゃ冷たい。バナナは赤・黄・緑と常にあり、微妙にチキンビリアーニが流行ってて、生ジュースが安くて美味くてどこにでもあり、男はルンギーという巻きスカートをはいている(ハイカーストの若者は割とジーパン)。そんな印象の街だ。
テレビ好きの幽霊?
ホテルで妙な事があった。
夕方、急に部屋の照明がチカチカし出したのでフロントに修理を頼んだ。修理係が来たとき無音でもきついだろうと、BGM代わりにテレビをつけたところ、なぜかチカチカがおさまる。何度か付けたり消したりして確認したらやはりテレビをつけると調子が良い。なんだかテレビさえ付けてればとりあえず照明は普通に使えるので、結局修理せず。
さて、寝ようと思い、テレビを消そうとしたら、今度はリモコンが突然反応しなくなった。テレビへの執念のようなものを感じてさすがに気持ち悪くなり、もうプラグから引き抜いて、「もう寝る時間なの!」と誰かに宣言してから就寝した。
そしたら夜中(予想どおり)かなしばりになりそうになり、いつもどおりの般若心経で乗り切ったものの、熟睡できず。翌朝。こんなところさっさと出るべしと、チェックアウトの荷造りをしていたら、抜いたはずのテレビのプラグがさしてあるのが目に入った。
文字通りゾォ〜ッと鳥肌がたった。もう、気色悪さマックスでホテルを飛び出した。後から考えると、部屋には邪悪さを感じなかったので、テレビ好きの念がこもっていただけかもしれない?インド人はテレビが好きだし。とにかく、ホテル・リージェンシーの203号室には二度と泊まりたくない。人生初の怪異現象であった。

トリヴァンドラムの町並
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